在来水産資源生態調査研究
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概要
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自然繁殖による資源増殖の可能性を検討するため,イワナ,ヤマメの人工産卵場の造成技術の開発を試みた。本年度はより実用的な産卵場の造成に取り組んだ。塩谷郡栗山村を流れる利根川水系鬼怒川の小支流(正式名称なし)において人工産卵場の造成とその後の追跡調査を行った。造成の翌日から人工産卵場においてイワナの産卵行動が多数観察された。また,人工産卵場以外の場所でも産卵行動が観察された。なお,ヤマメは沢の中で1固体確認されただけで,産卵行動は見られなかった。下流部の人工産卵場で15カ所,中流部の人工産卵場で36カ所,計51カ所の産卵床(卵室)が確認された。また,総産着卵数は計7889粒で,発眼率は82。5%であった。一方,自然の産卵床は12カ所確認され,産着卵数は計2119粒,発眼率は68。4%であった。ふ化率は人工産卵場99。7%,自然の産卵場98。7%であった。
- [栃木県水産試験場]の論文