二条大麦新品種「とちのいぶき」の育成
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
とちのいぶき(旧系統名関東二条 41 号)は,1995年に栃木県農業試験場栃木分場において,低ポリフェノール・オオムギ縞萎縮病抵抗性・良質・多収を育種目標に,「栃系253」を母,「(栃系216/ant28-494)F1」を父として交配した組合せに由来するスカイゴールデンと比較して出穂期と成熟期は同程度の早生である.稈長は短く,穂長は長く,穂数は多い.耐倒伏性はやや弱い.千粒重と容積重は同程度で,整粒歩合はやや劣るが整粒重は同程度である.外観品質は同程度からやや優れる.穂発芽性は劣る.うどんこ病には罹病するが,オオムギ縞萎縮病にはスカイゴールデンと同様にオオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子rym3とrym5を持ち,オオムギ縞萎縮ウイルスⅠ~Ⅴ型に抵抗性である.55%搗精時間はやや長いが,精麦白度は高く,砕粒が少ない.ポリフェノール含量は低く,プロアントシアニジンとカテキン含量は極めて少なく,加熱後の褐変がほとんどない.
- 2011-03-00
著者
関連論文
- 81 極低ポリフェノール大麦「関東二条41号」の精麦品質および農業特性(品質/リモートセンシング・モデリング/その他,日本作物学会第225回講演会)
- 栃木県育成ビール醸造用二条オオムギ品種の家系分析
- 我が国のビール大麦品種におけるリポキシゲナーゼ活性の変異と新たな活性欠失突然変異系統の作出
- P5 ビール大麦「サチホゴールデン」の高品質・多収栽培に関する研究
- 極低ポリフェノールビール大麦育成系統の品質および農業特性
- プロアントシアニジンフリー遺伝子ant28の選抜に有効なDNAマーカーの開発
- 二条大麦新品種「とちのいぶき」の育成
- 栽培条件の違いが特性の異なるビール大麦の収量および品質に及ぼす影響
- 湛水処理によるビール醸造品質の変動
- ビール大麦の生育診断による原麦粗タンパク質含量推定法の開発
- 育種および機能解析に有用な二条オオムギ突然変異処理系統
- 播種期および施肥量の違いが特性の異なるビールオオムギの収量および子実粗蛋白質含量に及ぼす影響
- 二条大麦における原麦硬度と千粒重を用いた重回帰式による砕粒率の予測
- オオムギ縞萎縮ウイルス系統と抵抗性遺伝子rymの反応
- パン用小麦「ゆめかおり」における高品質多収栽培法
- 二条大麦新品種「とちのいぶき」の育成
- プロアントシアニジンフリー遺伝子ant28の選抜に有効なDNAマーカーの開発
- 栽培条件の違いが特性の異なるビール大麦の収量および品質に及ぼす影響