栽培条件の違いが特性の異なるビール大麦の収量および品質に及ぼす影響
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概要
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播性程度や草型等の特性の異なるビール大麦系統を用いて,冬期寒暖の相違や地力の相違および湿害の影響を想定した栽培試験を行い,収量および麦芽品質に及ぼす影響を検討した.冬期寒暖の相違を想定した作期移動試験では,早播は凍霜害の影響により収量や麦芽品質の変動が大きくなった.播性程度Ⅲ~IVの関東二条43号や播性程度Ⅱ~Ⅲの大系RD0521は播種時期による整粒重に有意な差は見られず,変動が小さかった.この要因は,これら2系統が播性程度Iの品種・系統に比べ,春先の幼稈長が短く,早播の幼穂凍死が少なかったためと考えられた.地力の相違を想定した施肥量試験では,少肥において収量や麦芽品質の変動が大きく,播性程度I~Ⅲの大系RD0521や穂数型の関東二条42号は施肥量による整粒重の変動が小さかった.湿害の影響を想定した圃場湛水試験では,穂数,1穂粒数および千粒重が減少し低収となった.播性程度ⅢからIVの関東二条43号と播性程度Ⅱ~Ⅲの大系RD0521 および大粒型の関東二条40号は整粒重の変動が小さく収量が安定していた.麦芽品質では,作期移動試験・施肥量試験において,穂数型の関東二条42号,播性程度Ⅱ~Ⅲの大系RD0521および低蛋白系統の大系RD0381は変動が小さく,麦芽品質が安定していた.
- 2011-03-00
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