青森県太平洋沖で採集された日本初記録のデメニギス科魚類キタヒナデメニギス(新称)Dolichopteryx parini
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概要
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全世界の中深層に分布するヒナデメニギス属魚類は、伸長する体、管状あるいは小袋状で背面あるいは斜め前方を向く眼、2本の鰓条骨、数列の鋤骨歯、および透明な皮膚と腹膜に覆われる消化管によって特徴づけられ、幼形成熟をすることが知られている。今回、著者らが青森県太平洋沖で採集され、国立科学博物館(NSMT)に所蔵されていたヒナデメニギス属の1標本を精査した結果、Dolichopteryx pariniと同定された。本種は小袋状で伸長しない眼、背鰭基底下に位置する臀鰭基底始部、および伸長する胸鰭条と腹鰭条などによって特徴づけられる。本種はKobylianskii and Fedorovによって、オホーツク海の北部および北太平洋の北部と東部、さらに日本周辺海域およびカリフォルニア沖にも分布すると報告された。しかし、日本周辺海域およびカリフォルニア沖からの標本は別種であり[前者はヒナデメニギス、後者はMoserのD. sp.]、日本周辺からはD. pariniは今まで知られていなかった。よって、本研究では、これを日本初記録として報告するとともに、本種に新標準和名を提唱し、その形態を記載した。
- 2009-11-00
著者
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