ケルセチンを高含有する赤タマネギ新品種「クエルリッチ」の育成とその特性
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概要
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「クエルリッチ」は雄性可稔系統「SRG-12」を花粉親に、雄性不稔系統「NOR-1A」を種子親にした交配組合せより育成された赤タマネギF1品種であり、2008年に品種登録された(第17105号)。「クエルリッチ」は、花粉親「SRG-12」を保有する独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構と種子親「NOR-1A」を保有する(株)日本農林社との共同育成品種である。「クエルリッチ」は中晩生の品種で、収量性は主要品種「スーパー北もみじ」と比べ2割程度少ない。しかし、赤タマネギ品種「くれない」との比較では収量性は同等以上であり、球の外観やBrix糖度、貯蔵性は優れる。タマネギ品種のケルセチン含量は栽培年次によって変動するが、品種間の相対的な関係は安定しており、「クエルリッチ」のケルセチン含量は市販品種の中で最も高く、「スーパー北もみじ」と比べ平均で約20%ケルセチンを高含有する。ケルセチンを高含有する特性は、健康に対する意識の高い消費者には他のタマネギとの差別性となり、付加価値を持ったタマネギ品種としての流通・利用が期待される。
- 北海道農業研究センターの論文
- 2010-02-00
著者
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