全国新酒鑑評会出品酒におけるカビ臭汚染(TCA、TBA)の状況
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概要
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1.H18BY、H19BY全国新酒鑑評会酒品酒(総出品点数各981、957)のうち、カビ臭汚染の可能性の高い各々158点と195点のTCAの定量分析を行ったところ、清酒のTCAの閾値1.7ng/l以上のものが、それぞれ60点と48点(全体の6.1%と5.0%)あった。その内訳を国税局ごとに見ると、関信、大阪、東京局で多く、札幌、福岡、熊本局は0で、TCA汚染には地域性が見られた。2.TCA以外のカビ臭原因物質のうち、TBAについては、清酒の閾値と推定される4ng/l以上のものが3点検出された。また、TCAとTBAの複合による汚染も見いだされた。なお、2-メチルイソボルネオール、ジェオスミンによる汚染は今回認められなかった。この結果、清酒のカビ臭は主としてTCAにより、一部はTBAにより引き起こされると推定された。3.市販種麹によるTCPからTCAへのメチル化試験の結果、全ての種麹にTCP変換能があった。また、単菌のRIB40と128を用いて、TBPからTBA及びTCPからTCAへの変換能を比較したところ、TBP変換能はTCP変換能の約1/10と低かった。4.活性炭によるTCA汚染酒の処理を検討したところ、その効果には、活性炭の種類によりかなり差のあることが分かった。
- 日本醸造協会の論文
- 2009-10-00
日本醸造協会 | 論文
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