アイガモによる除草作用の解明と環境負荷などの評価に関する研究

概要

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右肩上がりの成長が一段落すると、その「影」を見つめ直す余裕が生まれる。レイチェル・カーソンの沈黙の春（1962）の発表以来環境汚染の問題がクローズアップされてきた。さらに、農業に関しては、「持続的農業」が注目され、持続の可能性のない化石・天然資源を有効利用する農法もこれまで以上に関心を集めてきた。有機農業の代表の1つにアイガモ農法がある。アイガモ農法は、富山県砺波平野が発祥の地であり、それが福岡県の「へそ」筑豊地方に飛び火し全国へ普及していった。現在は、北海道（旭川市）から沖縄県（竹富町西表島）まで、1万戸が2,000-3,000haのアイガモ農法に取り組み20-40万羽のアイガモが飼育されていると推定される。アイガモ農法がブームとなった1993年から同農法について除草作用の解明と環境負荷などの評価に関する研究を行ってきた。そのうち、（1）アイガモの行動や食性と除草効果の関係、（2）アイガモ農法と米の食味やその改善、（3）アイガモの飼育と環境に対するインパクト（寄生虫と水環境）、（4）アイガモ農法の継続と雑草の遷移などについて述べる。
2009-09-00