アイガモ農法連用水田における雑草の発生数の変化
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概要
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神奈川県愛川町において1994-1996年の3年間にわたってアイガモ農法田と慣行農法田における表層土壌からの雑草の発生数を調査した。発生した雑草はヒエ類, コナギ, アゼナ類, ミゾハコベ, キカシグサ, カヤツリグサ類(主としてタマガヤツリとコゴメガヤツリ), チョウジタデ, ヒメミソハギ, アブノメ, イヌホタルイ, タネツケバナ, マツバイ, オモダカ, セリの14草種であった。雑草の発生総数をみると, アイガモ農法では土壌表層0-2cm層では少なく, 慣行農法は0-2cm層で多かった。この理由として, アイガモ農法は, アイガモによる抑草期間が8月上旬(放飼日数50-70日)に及び除草剤のそれよりも2-3倍長く, アイガモ農法田はアイガモを引き上げた後に発生する雑草が少ないことによると考えられた。土壌表層2-10cm層では, 両農法間で発生総数に差がみられなかった(第2表)。アイガモ農法を連用することによりコナギ, キカシグサなどは減少したが, チョウジタデ, ヒメミソハギおよびカヤツリグサ類は減少しなかった(第2表, 第1, 2図)。1994年と1995年の調査では, 慣行農法に比べてアイガモ農法は発生総数が少なかった。アイガモ農法田は, カヤツリグサ類とアブノメが増加する一方, チョウジタデとヒメミソハギは減少しなかったため, 慣行農法田に比べて発生総数が増加した(第3図)。
- 2001-03-30
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- 村田威夫・谷城勝弘 著, 「野外観察ハンドブック シダ植物」, A5判, 134頁, 2006年4月, 全国農村教育協会, 発行, 1,905円+税, ISBN4-88137-121-5。
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