カンキツウイルスの酵素結合抗体法(ELISA)による大量検定法の開発
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概要
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大量のサンプルのウイルス検査に対応できる簡易かつ効率的な酵素結合抗体法(ELISA)による検定法を開発した。まず、磨砕後のステップを従来の方法である5,000r.P.m.、15分間の遠心分離操作から卓上小型遠心機を利用し、かつ30秒の短時間とすることで、従来法の約半分の操作時間とすることが出来た。また、ASGVとSDVのコーティング抗体および酵素標識抗体を混合使用することで、2ウイルスを同時に検出することが可能となった。この方法は、保毒率が低ければ低いほど効果が高く、例えば、検定サンプル中に1〜10%の保毒率があると仮定すると、慣行法の49〜40%の検定回数の減少となった。さらに、2ウイルス同時検定法使用時に6サンプルを同時に検定する方法を開発した。この方法は、必要な検定感度を維持しながら、20μl分取用の8連のピペッターとそのピペッターに対応した96穴のサンプルラックの利用により、効率的に検定が出来るようになった。以上のように、このELISAの改良を行うことで全ステップの労力は半分以下となり、抗体、マイクロプレート等の試薬・機材の使用を減らすことで、人件費も含めたトータルコストは大幅に低下すると考えられた。
- 2009-03-00
著者
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