ウメ'南高'塩漬け果実に発生する果肉硬化障害(シコリ果)に対する摘果処理並びに果肉への物理的障害の影響
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概要
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'南高'梅干しの「果肉硬化障害果(シコリ果)」の発生メカニズムを明らかにするため、硬核期のウメ樹への強い摘果処理や、カメムシによる吸汁等の果肉組織への物理的な障害がシコリ果発生に及ぼす影響について検討を行った。1.硬核期以降に急激に果実数が減少すると、残った果実は著しく肥大が促進され、細胞数は同じでも果肉細胞径が大きくなりシコリ果の発生が増加した。このことから果実肥大初期の果肉細胞分裂期の生育が順調でも、肥大後期に細胞肥大が促進されるような栽培条件の年にはシコリ果が多発することが考えられた。2.硬核期以降の'南高'樹上果実への鉄ピンの貫入、ペンチによる果肉破壊、カメムシによる吸汁で、処理果実の障害部の果肉細胞壁にカロースが蓄積し、処理果実を梅干しに加工すると障害部が固まりとなってシコリ状になった。3.以上より、'南高'梅干しのシコリ果発生を抑制するには、細胞分裂期以降の急激な果実肥大を避けるため、(1)受粉環境の整備による着果量の確保、(2)土づくりや防風対策による強風や干ばつ等による気象災害(異常落果)の防止、(3)乾燥、過湿を繰り返すようなかん水をしないことが重要である。また、(4)発生に応じたカメムシの防除を実施することも重要である。
- 和歌山県農林水産総合技術センターの論文
- 2009-03-00
著者
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土田 靖久
和歌山県農林水産総合技術センター 果樹試験場うめ研究所
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城村 徳明
和歌山県農林水産総合技術センター 果樹試験場うめ研究所
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東 卓弥
和歌山県農林水産総合技術センター 果樹試験場うめ研究所
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土田 靖久
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所
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