モモアカアブラムシに殺虫活性を示すBacillus thuringiensisサイトトキシン、Cyt2Aa
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概要
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アブラムシは様々な植物病原ウイルスを媒介し、経済的に重要な作物や野菜に深刻な損害を与えている。持続的発展可能な農業の構築の為に生物農薬による防除体形の構築が求められるが、師管液を吸汁して生息するアブラムシに対して、生物農薬による有効な防除手段は報告されていない。そこで我々は、Bacillus thuringiensisが生産するCyt2Aaをアブラムシに吸汁させ、その殺虫活性について調査した。フィールドから採取したモモアカアブラムシ、Myzus persicae(Sulzer)をプラスチック製の柱状容器内で飼育し、Cyt2Aaの毒性試験を行なった。スクロース溶液と混合して最終濃度が200μg/mlになるよう調整した100μlのCyt2Aaを2重のパラフィルムで挟み、パラフィルム越しにアブラムシに吸汁させたところ、72時間で38%の有意な殺虫活性が示された。一方、Cry1AaやCry1Ab、Cry1Acは、ネガティブコントロールであるPBS同様、アブラムシに対して殺虫活性を示さなかった。これに対し、化学農薬アドマイヤーは、用いた全アブラムシを殺虫した。アブラムシに吸汁された量を推論すると約0.2μg以下のトキシンで殺虫されていると考えられた。本論文は、Cyt2Aaのアブラムシ殺虫活性を示した初めての報告であり、その殺虫メカニズムについても簡単に考察した。
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