反復帝王切開術においてアナフィラキシーを発症したラテックスアレルギーの1例
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概要
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今回我々は,反復帝王切開術時にアナフィラキシーを発症したラテックスアレルギー(latex allergy:LA)の一例を経験した.患者は26歳女性で,3年前に他院で脊髄くも膜下麻酔下に初回帝王切開術を施行された際にはアナフィラキシー症状は認めなかった.2010年4月,予定手術前に脊髄くも膜下麻酔下に緊急帝王切開術を施行した.児娩出後より呼吸困難感,眼瞼浮腫,皮膚紅潮が出現し,アナフィラキシーと考えられた.血圧・酸素化は維持できており,メチルプレドニゾロン・抗ヒスタミン薬投与,用手補助換気下のβ2刺激薬吸入で状態は改善した.後日,皮膚テストと特異IgE 抗体検査でラテックスのみ陽性であり,LAと診断した.帝王切開術を受ける妊産婦は,複数回の手術経験や頻回の処置により,ラテックスに対する抗原曝露の機会が多くLAのリスクが高いと考えられる.術中に原因不明のアナフィラキシー症状を認めた場合にはLA の可能性を考慮すべきである.
- 2011-03-25
著者
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