しゅう動接点において生ずる離線現象の固有特性
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概要
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パンタグラフ集電系の離線と放電の発生状況を定量的に把握できれば,電力供給量や集電部材摩耗量,電波雑音・騒音発生量などの予測・評価に役立ち,ひいては複雑な離線現象の機構解明にもつながる.本論文は,パンタグラフ集電系モデルとして頻用されるしゅう動接点を対象として,これに生ずる離線と放電の発生状況を定量化し得る離線量を導入し,それの統計測定を行った.離線量としては観測時間に対する離線と放電の発生時間率(それぞれ離線率,放電率と呼ぶ)を用い,これらの同時測定を可能とする装置を製作し,黄銅を用いた場合の離線量の統計分布とこれのしゅう動速度ならびに接点電流に対する依存性を測定した.その結果,離線率と放電率は正規分布に大略従うこと,接点荷重としゅう動速度が一定ならば離線率は接点電流を大きくするほど減少するが,放電率は逆に増大すること,両者の和は接点電流に対してほとんど変わらないこと,意外にもこの値は電流を通電しない場合の離線率におおむね一致すること,などが判明した.上述の結果のうち離線率と放電率の間で成立する独特な関係はしゅう動接点に固有のものであり,両者の和の数値で複雑な離線現象の定量化が計れるものと筆者らは考える.
- Institute of Electronics, Information and Communication Engineersの論文
- 1990-12-00
著者
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