歩行動作による人体の帯電特性
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概要
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高速・低電力のICを多用するディジタル電子機器は静電気放電(ESD)に対する耐性が弱く,この対策が重要な課題である.ESDは人体の歩行帯電に起因する場合が多いので,同現象の発生機構を解明することがESDの有効な予防策を講ずるのに役立つ.この観点から,本論文は,歩行帯電に基づく人体電位の実測波形から発生電荷を逆推定する測定法を提案し,足の上げ下げを歩行の基本動作として,これらの1回動作による人体電位と発生電荷の両方を繰り返し測定した.その結果,歩行の基本動作に伴う電位と電荷は800ms以内で定常に達すること,その電位の大きさは700V以下,電荷のそれは100nC以下であること,人体容量は動作に応じて変化し,その値は200pF前後で片足を上げると両足着地の場合よりも最高70%程度に減少すること,などがわかった.次に,短距離の連続歩行と足踏みによる人体電位を測定したところ,人体電位の歩調推移は両者の歩行で大きく異なること,すなわち,連続歩行では歩調と共に人体電位が負の方向へ増加し続けるのに対し,足踏みでは一定の大きさで振動し続けること,この特性は同一被験者に対する歩行の基本動作の帯電特性からおおむね説明できること,などがわかった.
- Institute of Electronics, Information and Communication Engineersの論文
- 1991-08-00
著者
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