心の中のシルクロ-ド--「なら・シルクロ-ド博′88」をめぐって
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概要
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本稿は「なら・シルクロード博'88」を対象に,シルクロードのイメージについて検討をこころみる.考察は,次の三つのステップをつうじて展開される.その第一は,博覧会がシルクロードのいかなるイメージを前提として要求したかについて.第二は,こうしたイメージが博覧会によって実際上どのように表現されたのかについて.そして第三は,入場参加者側がそれをどう受けとめどう評価したかについて,それぞれ検討するものである.博覧会の表現様式は,博覧会自身による博覧会の記述や宣伝をつうじて吟味される.また入場参加者への効果は,奈良大学の学生20名へのインタヴュー結果にもとついて論じられる.シルクロードのイメージはこうした博覧会における表現様式とその効果を考察する過程で,随時その特徴を浮きぼりにしていくと思われる.結論部では,博覧会側と入場参加者側がシルクロードに対するイメージの齟齬を越えてひとつの共犯関係(collusion)を構成しており,博覧会への批判が参加者自身への批判へと向かっていくことを述べるつもりである.
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奈良大学 | 論文
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