生涯学習社会の構想と意識--その教育社会学的研究
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概要
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生涯学習社会の構想の基底には、現代の教育危機に関する次のような2っの問題意識がある。その1つは、今日の急激な社会変動の中で、従来のフロント・エンド型教育は機能的な限界性に直面しており、それに変わる新しい教育制度体系の構築が必要になっているという見解であり、もう1つは、もはや学校のみが教育の場や機関ではありえないという認識である。本稿では、こうしたシステムとしての生涯学習社会化の推進をはかる側の目的や意図が、人々の生活世界の中の学習実践や意識に、どの程度まで浸透し、またどのような点で乖離しているのかを探る目的で、奈良大学生涯学習研究会の平成4年度調査の結果を分析した。この考察によって、人々は生涯学習に生きがいや自己発見を求める傾向があり、これに伝統的な教育意識の残存や新しいタイプの学習観の表出といった要因が複雑に錯綜しつつ展開しているのが、今日の生涯学習化の実態であることが明らかになった。
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