タマを冠する万葉歌語とその背景
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概要
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万葉集の歌語の中には、「タマー」という形で熟語となるものが十指を超えてある。それらは、歌の中でいわゆる枕詞となるものがほとんどであるため、従来その意味のあり様がややもすると単に修辞的なものと見なされがちであった。しかし、それらの語の「タマ」は、本来すべて「霊」の意を持ち、万葉歌語としてもまだその意味が十分生きており、タマを冠する熟語は、タマの依り代や「タマごひ」の呪具といった性格のものも多く、多用の中からは古代人独特のタマの把え方が窺われるものである。さらにその背後には、「玉桿の道行人・玉梓の使」といわれる市井の巫者たちが居て、人々のタマの世界に深く関与し、道びいてもいた。万葉歌を中心に、各種古代言語資料の記述も重ね合せながら、タマをめぐる古代人の言葉と心の風景をよみがえらせたい。
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奈良大学 | 論文
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