中国社会安定のカギ
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概要
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中国社会安定のカギは広大な農村で生活している、全人口8割りを占める農民が農業その他の産業に従事し、それらの成長によって満足した生活ができるか否かというところにある。中国共産党は農民の要求を認め、土地の権利を所有権と使用権の二つに分け、所有権は集団所有であるが、使用権を農民のものとした。更に、農地を「口糧田」と「責任田」に二分し、前者で自家用食糧を作らせ、最小限の生活が保障できるようにし、後者を農家その他に経営を請け負わせるようにした。農家はそれで以て市場経済に組み込まれて行っている。沿海地方から内陸部へと席巻している経済の高度成長は農村に端を発し、又農村に大きな影響をもたらしている。農民の生活は改善し、農業も急成長を見せたが、現在限界が来ている。それはとどのつまり、土地の所有制の問題である。と同時に、それらと関連して、余剰労働力の問題も深刻化しつつある。 中国社会に起こったこの大変動は不可逆的なものであり、農民はそれを起こしただけでなく、主力でもある。難問もその流れの中で解決して行くであろう。それにより、今後中国社会は多少の揺れがあるにせよ、総体的には安定が保てるであろう。
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奈良大学 | 論文
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