中興期上方の奉納四季発句秀吟集
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概要
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明和から寛政にかけて蕪村・嘯山ら京の宗匠が月並発句合を催していたことは以前に述べたが、それと並行してこの時期に上方一円で盛んに行なわれたものに不定期の発句合がある。この不定期の発句合は、その殆んどが諸社寺への奉納を名目として四季自由題による発句を募り、少ない時でも千多い時には六万以上を集め、秀吟を通常の俳書と変わらぬ装丁の半紙本にて披露するのを例としている。その秀吟披露の冊子は、性格から奉納四季発句秀吟集と呼ぶのが適当と思われる。以下にこれを便宜上秀吟集と略称する。これまでかような秀吟集及びその背後にある奉納を名目とする不定期の発句合については、同時期の月並発句合と同じようにさほど注意が払われることはなかった。そこでこの稿では中興俳壇の底辺の動きを整理する意味で、管見に入った上方の秀吟集のあらましを紹介し、それを通して不定期の奉納発句合の興行形態がどのようなものであったか、またその発句合が如何なる流れの中に生まれそして衰微して行ったかを考えてみたい。
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奈良大学 | 論文
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