学級集団,児童・生徒個人に及ぼす教師の潜在的な影響力
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概要
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本研究では,学級集団と児童・生徒個人に及ぼす教師の潜在的な影響力を明らかにするため,大学生500人(男性250人・女性250人)に,小4から中3までの担任教師の中で学級の多くの子ども達がよく指示に従っていた教師を1人想起させ,教師の指示に従う理由を項目内容にした39項目の質問紙について回答を求めた。次に,小4から中3までの担任教師の中で自分自身がよく指示に従っていた教師を1人想起させ,同様に答えさせた。回答を因子分析した結果,学級,個人への教師の潜在的な影響力の2つの因子構造はよく似ており,「親近・明朗性」,「自信・一貫性」,「威圧感」,「罰」,「正当性」,「授業力」,「受容」の7つの因子が抽出された。中でも「親近・明朗性」,「自信・一貫性」,「受容」の3つが大きく認知されており,影響を与えるための重要な因子であることがわかった。また,性差や学校段階の差についても検討をおこなった。その結果,女子は男子より教師の日々繰り返される指導行動から得られる教師像を潜在的な影響力としてとらえやすいということ,男子は女子より怖さに影響されている可能性が大きいということが分かった。さらに,学校段階の差としては,中学校に比べ小学校段階では,教師という職業や役割を潜在的な影響力として大きくとらえていることがわかった。
- 2010-10-25
著者
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