宇治大納言物語の語りと精神
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「宇県亜相巧語」(古今著聞集序)などともてはやされながら、その後散侠し一た宇治大納言物語は、現存宇治拾遺物語の今昔物語集に重なって出る}物語群を中心に、その「巧語」の原型が遺っていることを、前稿で検証し総それらと・院政期末に語り加え.りれたとみられる宇治拾遺物冨の笙次拾遺部分と竺つの物語集の中で嘉密に融和しながらも、それぞれを群にして読んでみると、おのずから印象に異なりのあることがわかる。その融和感・違和感が何に所以するかを確かめることは、どちらの語りになるのか不明の、主に地下の人々の登場する物語について、その所属を推定し、さらに、大納言物語(以下本稿でのこの呼称は源隆国の語り部分に限定する)と拾遺物語(前稿で大納言源定房に語り手を想定した院政期末拾遺部分に限定する)それぞれの性格を明確にすることにもなるだろう。語り手の境遇や意識や言語環境が近似するとみられながらも、それぞれ生きた時代に限定されつつ現われた言葉の個性を、本稿は、主に無名の人々を語る部分によって、その大半を占める大納言物語を中心に考察したい。テキストは陽明文庫本、物語番号はその上下目録の通し番号である。
- 奈良大学の論文
奈良大学 | 論文
- 文化的自己観と高齢化に対する態度
- 日本人成人の相互独立性--クラスタ分析による類型的理解の試み
- 社会的比較に於ける自己卑下傾向と 相互独立性-相互協調性との関連
- 相互協調的自己観と内集団バイアス
- 大脳半球性のパターンに関する研究