内閣文庫蔵「神木入洛記」--「太平記抜書」の類として,付翻刻
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概要
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『太平記』は歴史的事件を素材にした史書という性格の故に、あるいはその分量の膨大さの故に、「抜書」とか「抜萃」とか呼ばれる抄出本によって享受されることが少なくなく、それら具体相の一々は加美宏氏『太平記享受史論考』(昭60、桜楓社)の詳説する所である。氏によれば、全体の梗概書の他に、異本校合の所産として成されたもの、日本の言語と歴史を学ぶための教科書として編集されたもの(キリシタン版抜書)、特定の個人・家・寺社に係る記事を関係者が抄出したもの、等に分類できるという(同書捌頁)。ここで扱う内閣文庫蔵『神木入洛年」(以下『入洛記』と略称)は、特定の寺にかかわる抜書で、南都興福寺大乗院の所領である越前国河口庄を斯波高経が押領した事件(貞治三年36)に端を発する春日神木入洛・高経の失脚・神木帰座のことを記しており、『太平記』巻三十九の「神木入洛付洛中変異事」・「諸大名讒高経入道道朝付大原野花会幷道朝下向北国事」・「神木御帰座事」(大系本三440~450頁)に相当する。
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奈良大学 | 論文
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