英国南西部、Exe 川流域における水利用形態:「Abstraction Licence Report」 の分析を中心に
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概要
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水利用の形態は,その国や地域における水の賦存量,経済の発展段階,あるいは文化的・歴史的条件などを反映していると考えられ,それを研究することは,比較水文誌的な観点からみて,極めて興味がある.しかし,諸外国において,日本と同じレベルでその研究をおこなうことは,資料の有無および精粗に左右されたり,法律上の制約もあって,容易なことではない.筆者は最近,英国における水利用形態を明らかにする上で非常に貴重で,しかも通常入手が困難な資料を得ることができた.それは,英国における水の総合的な管理をおこなう組織であるWater Authority (水機関)が作成している「Abstraction Licence Report」(水利用許可届け)である.そこで本稿では,この資料を時空間的に分析することによって,英国の一つの流域における水利用形態の特徴を明らかにしてみたい.この結果は,恐らく英国の水利用形態を日本のそれと比較する上で,基礎的な資料を提供することになるにちがいないと考える.筆者は,1985年~1986年にかけての英国滞在中に,多くの文献に接したが,未だこの種の文献も,「AbstractionLicenceReport」に関する文献も管見していない.日本でも,英国全体の水管理や水制度に関する研究は,若干みられるがD,具体的な流域を対象としたかかる内容の研究は,未だおこなわれていない.
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