芥川龍之介「開化の殺人」論
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概要
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芥川龍之介の「開化の殺人」について、これまでの「開化物」という評価を一端保留し、芥川によってそれ以前に書かれた男女の三角関係を描いたテクストと比較検証することで、その特性を明らかにした。また三角関係の問題系をテクストの読解格子として用いることで、「開化の殺人」の犯罪告白が行われる「遺書」部分の語り手が、常に三角関係から疎外される人物であり、自らをその中に位置づけようとすることにおいて、語り手自身が「犯罪者」と「探偵」とに演じ分かれているとの見解を得た。またその点がそもそも作家によって「探偵小説」として企図された「開化の殺人」の特性であるとする。
- 2010-09-30
著者
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