十二指腸穿孔を伴った巨大鼠径ヘルニアの 1 例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は 79 歳男性. 上腹部痛, 発熱, 嘔吐を主訴に当院内科を紹介受診し, 入院となった. 内科的加療をしていたが症状が強くなり, 入院 2 日目に外科へ転科となった. 右鼠径部に巨大なヘルニアがあり陰嚢に発赤, 圧痛を認めた. ヘルニア内容の徒手整復は無理であった. CT にて free air とイレウスを認め, 右鼠径ヘルニア嵌頓, 嵌頓腸管穿孔と診断し手術を施行した. 陰嚢内に回腸, 盲腸, 上行結腸が嵌頓していた. 盲腸穿孔, 十二指腸穿孔を認め, 右半結腸切除術, 十二指腸穿孔部単純閉鎖を施行した. 術後創感染がみられたが回復し, 術後 42 日目に退院した. 巨大鼠径ヘルニア手術では腹部コンパートメント症候群や高い再発率が問題点となり, 対策が必要である. 本症例では右半結腸切除術を行ったため, 還納臓器が減り拘束性肺障害の予防となった. また可能な限り iliopubic tract repair を行い, 現在ヘルニアの再発は認めていない.
- 2010-03-04
著者
関連論文
- 十二指腸穿孔を伴った巨大鼠径ヘルニアの 1 例
- 食餌性イレウスの 2 例
- 胸腔内穿孔にて発症した十二指腸重複腸管癌の1例
- 発生の異なる2個の小腸憩室が隣接して存在し, 穿孔をきたした1例
- 術中修復した Luschka 管損傷の1例
- 腹壁浸潤結腸癌の2例
- E63 Noonan's syndromeに合併したMorgagni Herniaの一例(横隔膜ヘルニア(2)・肺)
- 6.異物による食道狭窄の1例(第36回日本小児外科学会東海地方会)
- P-69 出生前診断された頚部巨大腫瘤症例に対するEXITにおける小児外科医の役割(示説 出生前診断1)
- B-110 小児外科領域における合成吸収癒着防止剤セプラフィルムの有用性に関する検討
- 36.Ex utero intrapartum treatment procedureを行った新生児頸部奇形腫の1例(第36回日本小児外科学会東海地方会)
- 各種治療により2年以上生存中の切除困難頚部リンパ節転移を伴う進行胸部食道癌の1例
- 特発性大腸穿孔の1例