FRBR OPAC構築に向けた著作の機械的同定法の検証 : JAPAN/MARC書誌レコードによる実験
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概要
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原著論文【目的】 OPACの機能向上の方策の1つとして、FRBR(「書誌レコードの機能要件」)に依拠した著作に基づく集中化とナビゲート機能の実現が試みられている。 本研究は、こうしたOPACのFRBR化に向けて、わが国で作成されている代表的な書誌レコードであるJAPAN/MARC書誌レコードを対象として、著作の機械的同定法について提案を行い、その有効性の検証を試みる。 著作に関する情報の記録が少ないわが国のレコードを用いて、どの程度著作の機械的同定が可能であるのか、あるいはどのような方式が有効であるのかを明らかにする。【方法】 個々の書誌レコードから著作の同定識別用に著作同定キーを必要な数だけ複数生成し、同定キーの一致をもって同一著作と機械的に判定する方法を採用した。 著作同定キーは、「著者名+タイトル」との構成とし、その生成には可能な複数の方式を試みた。 それぞれの方式ごとに著作のクラスタリングを実行し、人手により別途形成した正解集合を用いて、クラスタリング結果について性能を評価した。 【結果】 実験の結果 a)平均的には、採用した機械的な著作同定は十分に機能するが、個別著作ごとにみたときにはその特徴に依存して性能には幅がみられた。 該当するレコー ド数が多く、かつ全集・選集等ではない著作については、無著者名著作か否か、統一タイトルを有するか否かなどにより性能が大きく異なる。 また、b) 単一の書誌レコードから複数の書誌階層レベルごとに著作同定キーを生成し、さらに各階層レベルから必要な数だけ複数個の著作同定キーを生成することが有効であった。 c) 例外はあるものの、著者標目、責任表示、タイトル標目などを組み合わせて用いることは有効である。
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