The C-Terminal Tetrapeptide Sequence of Drosophila Thioredoxin Reductase Does not Function as a Redox-active Motif in the Human Lung Counterpart
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概要
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ほ乳類チオレドキシン還元酵素はC末端配列-Gly-Cys-SeCys-Gly(end)の後ろから2番目にセレノシステイン(SeCys)残基を持つ.SeCys をシステインに変換すると酵素の活性は大きく低下するので,SeCys 残基が触媒活性に必須であることが分かる.これに対してキイロショウジョウバエのチオレドキシン還元酵素(Dm-TrxR)のC末端配列にはセレンが含まれず,システイン残基の対が2つのセリンに挟まれた配列-Ser-Cys-Cys-Ser (end)を持つ.それでも Dm-TrxR はほ乳類のセレン含有酵素と同程度の触媒能を示す.われわれはヒト肺チオレドキシン還元酵素に Dm-TrxR のC末端テトラペプチド配列を導入してその効果を調べた.しかし,酵素活性はまったく上昇せず,Dm-TrxR のC末端のテトラペプチド配列-Ser-Cys-Cys-Ser だけでは Cys 残基のチオール基を活性化する効果はなかった.そこで,分子軌道計算 MOPAC を用いて酸化還元機能を担うためのC末端配列モチーフを探索した.その結果,テトラペプチドにさらに2つ先のプロリンまでを含めた Pro-X-Ser-Cys-Cys-Ser(end)により初めて酸化還元モチーフとして機能する可能性が示唆された.Pro を含むこの配列モチーフはミツバチや蚊などほかの昆虫の TrxR でも保存されていたThe isozymes of mammalian thioredoxin reductase (TrxR) contain the penultimate selenocysteineresidue (SeCys) in the redox-active C-terminal tetrapeptide, -Gly-Cys-SeCys-Gly (end). Amutant form of the mammalian enzyme TrxR-X498C in which SeCys is replaced with Cys showsa dramatically decreased catalytic activity, suggesting that SeCys residue plays an integral role inthe catalysis. In contrast, TrxR of the fruit fly, Drosophila melanogaster, has no selenium in the corresponding C-terminal redox sequence, which instead of SeCys has flanking serine residues in the terminal sequence, -Ser-Cys-Cys-Ser (end). Because the catalytic activity of Dm-TrxR is comparable to that of the mammalian selenoenzyme, we introduced the serine residues at the corresponding positions of the recombinant TrxR-X498C and mimicked the redox center of the fruit fly TrxR. However, the catalysis remained as low as the Cys mutant of the selenoenzyme,suggesting that the additional structural features are still required for the tetrapeptide to function as a redox center. MOPAC calculation suggested that the complete motif might involve the hexapeptide sequence, which includes a proline residue, -Pro-X-Ser-Cys-Cys-Ser (end). The proline-containing motif is conserved among other insect TrxRs such as those of honeybee and fruit fly.
- 岡山大学農学部の論文
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