甜菜の栽植密度の根部発育量に及ぼす影響
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概要
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(1)本試験は縦30cm,横60cm,深さ30cmの根箱に篩別土壌65kgを填充し,導入2号を密植区として10株,疎植区として4株仕立とし,昭和36年2月24日播種し,4月中旬以降7月下旬まで9回にわたって根部を水洗し,主として根体重,側根重,葉重について調査した. なおこれらの重量比較は1箱総重量をもって行った.(2)春播甜菜の側根の発育は生育のごく初期の短期間に,その土壌容積内の展開限度までの生育を終える.この範囲の土壌容積では,栽植密度による大幅な差異は認められない. なおこの極限到達時期は葉重,葉面積の最大値を示す時期とほぼ一致する.(3)根体重は側根重の限度に達した頃にも相当肥大しているが,その後盛夏の7月中旬の最終調査期まで一定の趨勢をもって増加をたどった.(4)根体重の増加趨勢と栽植密度との関係について,生育の前半は密植区が疎植区よりやや上廻っているが後半において逆転し,疎植区の方が大幅に上廻るにいたる.この点は菜根としての商品価値を向上せしめるにも重要な点である.(5)暖地甜菜の夏期における茎菜の大半の枯凋喪失と,延いてはこれに伴って想定せられる側根の老化とは,秋期の生育の再開にあたってこれら器官の再生のもとに再生長を開始せざるを得ないものにする.このための生育上の停滞は現在の品種特性の大きい欠陥で,この特性の改善によってはじめて暖地甜菜普及上の活路打開が可能となると思われる。
- 岡山大学農学部の論文
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