関係固定型のアナロジー推理のプロセス ―正答表象形成モデルと関係比較モデルとの比較―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,関係固定型の真偽反応形式のアナロジー推理のプロセスについて,正答表象形成モデルと関係比較モデルのデータに対する適合度を比較することを目的とした。被験者は,大学生32名であり,彼らに2種類のアナロジー推理課題(人物画アナロジー推理課題と幾何図形アナロジー推理課題)を実施した。正答表象形成モデル,関係比較モデルともに,符号化の方法,写像の有無,属性比較の方法,の3つを組合わせて,12個の下位モデルを作成した。個人データについて,各項目タイプでの各コンポーネントの実行回数を独立変数とし,反応時間を従属変数とする重回帰分析を行い,2つのモデルの各々について,最適下位モデルを同定した。4つの観点から2つのモデルを比較した結果,以下のことが明らかになった。人物画アナロジー推理課題では,正答表象形成モデルの方がデータによく適合した。正答表象形成モデルにより,31名について,最適下位モデルを同定することができ,最適下位モデルの重相関係数の中央値は,.941であった。幾何図形アナロジー推理課題でも,正答表象形成モデルの方がデータによく適合した。しかし,正答表象形成モデルにより,最適下位モデルを同定することのできた被験者は,18名にとどまった。また,最適下位モデルの重相関係数の中央値は,.844であった。以上の結果から,幾何図形アナロジー推理課題については,ここで吟味した2つのモデル以外のモデルによる吟味の必要性が議論された。
- 愛知教育大学の論文
- 1985-02-25
著者
関連論文
- 視覚障害児・者の単独歩行についての大学生の知識と援助行動
- 動物名によるアナロジー推理
- 養護学校における「介護等体験」が障害者に対する行動と気持ちに与える影響
- 単独歩行時の対人場面における視覚障害者の行動とストレス
- 言語アナロジー推理のプロセス
- 関係変動型のアナロジー推理のプロセス
- 関係固定型のアナロジー推理のプロセス ―正答表象形成モデルと関係比較モデルとの比較―
- 言語アナロジー推理項目の規準データ
- 言語アナロジ-推理項目の規準デ-タ
- プロフィ-ル分析による知的能力の発達的研究
- 知的能力のプロフィ-ル分析
- 現実自己と理想自己の差異の測定法について
- 方向感覚と空間表象
- 精神薄弱青年の自由再生記憶に及ぼす訓練効果