Wistar系ラット精巣上体尾部精子を用いた冷蔵保存方法の検討
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概要
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Departmental Bulletin Paper本研究ではWistar 系ラットの精巣上体尾部由来精子を用いた冷蔵保存について検討した。ラット精巣上体尾部精子を、各種保存液(R18S3、マルベリーIII、それぞれを混合した1:1 稀釈液、2:1 稀釈液)中で4℃にて冷蔵保存した。加温後のそれらの運動性は、運動性指数およびSQA-V よりにて評価した。運動性指数では1:1、2:1 稀釈液で14 日間運動性を保持した。SQA-V ではSMI(精子自動性指数)値を用いて評価し、1:1、2:1 稀釈液で7 日間自動運動性を確認した。精子頭部における膜損傷の有無をLIVE/DEAD Sperm Viability Kit を用いて評価し、2:1 稀釈液において7 日目の正常膜保持精子率は40%であった。受精能の確認では、常法により過剰排卵処置を施した幼若雌ラットの卵子を透明帯除去後、冷蔵保存精子と共に受精させた。この結果、7 日間保存した精子にて1:1 稀釈液では、20%(17/86)、2:1 稀釈液では30%(36/122)の精子侵入率であった。これらの結果から、Wistar 系ラットの精子冷蔵保存は、低率ではあるが受精能を保持し、冷蔵保存が可能であることが示された。
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