IT関連産業の経済波及効果 : 産業連関表による1990年から2005年までの分析
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概要
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本稿では、IT機器、放送、通信、情報サービス等の産業群について、1990年から2005年までの産業連関表を用いて生産、付加価値、雇用などの誘発効果を計測し、日本経済全体への影響がどの程度か、また、その効果がどのように変化しているかを分析した。その結果、2000年以降は「ITブーム」にわいた1990年代後半に比べると勢いに鈍化がみられるものの、長期的な趨勢としては、産業の規模を拡大させていること、その中で、機器などのハードウェア中心からソフト化やサービス化が進展していること、生産誘発効果では自動車産業に及ばないものの、付加価値や雇用の誘発ではこれを上回るほどの影響力があること、純輸出のマイナス幅が拡大しており国際競争力の強化が課題だと考えられることなどが明らかとなった。Ⅰ. はじめに : 本稿の目的 Ⅱ. 産業連環分析の手法 1. 対象産業の範囲と定義 2. 分析に用いるデータ・セット Ⅲ. 経済波及効果の分析 1. 経済波及効果の算出方法 2. 経済波及効果の算出結果 Ⅳ. おわりに : まとめと課題
- 2010-01-20
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