外国文献の中で言及されたヘルスケアにおける日本の文化的特徴
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概要
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本研究の目的は,日本以外の文化的背景をもつ研究者によって行なわれた,日本のケアに関する事柄を研究対象としている研究の中で言及されている日本の特徴の記述を統合することにより,ヘルスケアにおける日本の文化的特徴を明らかにすることである。 分析対象は,CINAHL 1982年1月~2006年4月までのデータベースより「Japanese 」と「care 」を掛け合わせた検索によって得られた文献の中から,選択基準に沿って選択した18文献であり,それらを「ヘルスケアに関する外国文献では日本についてどのように言及されているのか」をテーマとしてKJ 法により質的に統合し,文化的な視点から考察した。 その結果,【全体に融合した個】が基盤となって,【黙従する患者】という現状がある。その中で【困難を伴う状況の調整役の請負】と【柔軟な患者,家族中心のケア】がなされており,これらには【他者に負わせず身を挺して受け入れる姿勢】と【価値づけられている間接的コミュニケーション】が浸透している。しかし一方で,【個の自律への社会的な要請】がなされてきているという特徴が明らかとなった。以上の結果から,ヘルスケアに影響している日本文化とヘルスケアの現状が明確になり,今後の看護への示唆を得ることができた。The purpose of this study was to clarifying cultural features of Japan in healthcare by integrating statement about Japan in overseas literatures which were written by people who have different cultural background from Japan. The subjects were 18 overseas literatures, searched from CINAHL (1982-2006) by keywords ; “Japanese" and “care", and selected by criteria. We analyzed by KJ method with the theme of “how were Japan described in overseas literatures". In the result, the features of Japan in health care were that there was a situation of [acquiescent patients], and this situation leads to [nurses and family members play the role of coordinators in difficult situation], [nurses practice flexible patient/family-centered care]. Behind these, there were [accept adversity silently using great self-discipline] and [valued indirect communication]. On the base of these, there are [Being interdependently with others]. However, there was [request to autonomy of individual] From the result, cultural features of Japan which influenced health care and implication for nursing were clarified.
- 2007-06-30
著者
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