発達性協調運動障害のある児童に対する運動指導の効果
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概要
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発達性協調運動障害のある8歳の児童にバランス,敏捷性,巧緻性に着目した運動指導を行い,その効果について身体協応性及び身体意識能力の観点から検証した。週1回45分間の指導を12回実施した。その前後で,身体協応性を測定するThe Body Coordination Testを実施したところ,指導前に10であった総運動指数(Total-MQ)が,指導後には30にまで向上した。また視察やビデオ記録の運動学的分析においても,対象児の動作に明らかな変化が認められた。さらにその効果は日常生活にも波及していることが示唆された。ただし向上したとはいえ,指導後の30という総運動指数から判定される機能発達レベルは,いまだ「障害の疑いあり」のレベルにとどまっており,今後さらなる指導内容の工夫と指導の継続が必要だと考えられた。The purpose of this article is to examine the effects of movement training on an eight-year-old boy with developmental coordination disorder with a special emphasis on the viewpoints of balance, agility and skillfulness. According to the evaluation that used the Body Corrdination Test, Total-MQ rose from 10 (before training) to 30 (after training). The child's motion also showed changes on each task. These results suggest that the movement training has improved his body coordination ability. But the functional developmental level has stayed at the level of "the suspicion of disability". After all, the conclusion drawn from this study is that it is necessary to improve the training program and that it is important as well to continue the movement training.
- 大分大学教育福祉科学部の論文
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