里山の音に対する印象評価 : 都市部と地方の大学生による比較
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概要
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目的:自然が多く、騒音などの問題が少ない地域では、どのような音環境にあるのかはこれまで示されてきていない。本研究では、南信地域の音に対する都市部の大学生および南信地域の大学生の印象を調べ、音にどのような特色がみられるのか実態を明らかにすることとした。質問紙調査:都市部の大学生191名を対象とし、日常生活で聞こえる快適な音および不快な音、自然の音を調べた。その結果、快適な音には自然の音が多く、不快な音には騒音としてとらえられる音が多く挙げられた。自然の音には、風や雨、川の音などが多く挙げられた。南信地域では快適な自然の音が多く、不快な音は少ないことが示唆された。実験1:都市部の大学生61名を対象に、南信地域で聞こえる音を用いて、各音の印象を調べた。その結果、活動性、落ち着き、豊かさ、情緒の4因子が抽出され、音によって様々な印象を受けることが示された。また、音の特色としては情緒という観点が挙げられると考えられた。実験2:都市部の大学生31名を対象に、実験1で用いた音から想像した風景の印象を調べた。その結果、活動性、快適さ、情緒、個性の4因子が抽出された。想像する風景の大半は音によって様々な特徴が感じられ、音の印象とその音から想像する風景は関連していることが示唆された。実験3:南信地域の大学生30名を対象に、実験1および2で用いた音の印象と音から想像した風景の印象を調べた。その結果、音の印象については、活動性、快適さ、個性、情緒の4因子が抽出された。実験1と異なり、全体的に音による印象の特徴は少なかった。音から想像した風景については、活動性、快適さ、情緒、個性の4因子が抽出された。実験2と異なり、風景の印象のパターンは各音でほぼ等しかった。全体的考察:以上の結果より、南信地域の音の特色としては、情緒という側面が考えられた。また、音に対する印象に関しては、落ち着きや活動性、豊かさ、情緒が様々に感じられることが示された。
- 信州公衆衛生学会の論文
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