わが国上場企業における株価と企業業績: パネルデータによる先決性の検定
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概要
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株価はどのように決まるのか。われわれは経営行動モデルの構築、政策提言を課題に、株価決定要因の解明を検証し始めている。すでに、上場全企業(継続企業・非継続企業)、上場継続企業全社、上場非継続企業、上場継続企業1部全社、上場継続企業2部全社を対象に、政府政策、マクロの各種経済指標および株式の需給関係を捨象しつつも、企業内部のデータに限定された範囲で、各企業集団の株価決定要因の分析を試みた。株価指標として、年間最高株価、年間最低株価を使い、この株価と39変数におよぶ以下の8指標との関係を検証し、株価決定要因の特定化を重ねてきた。その8指標とは収益性指標、設備投資指標、設備廃棄指標、雇用指標、市場価値指標、成長性指標、安全性指標、コーポレートガバナンス関係・その他の指標である。だが、今のところ、株価決定要因を特定化するにとどまり、まだモデル構築には至っていない。本稿では、8指標からなる総合的なモデル構築を目指す試みをひとまず離れ、限定された範囲での株価決定要因に検討を加えたい。ところで、株価についてもっとも基本的な問題のひとつは、企業業績と株価の関係であろう。業績が改善されれば、株価は上がり、業績悪化は株価を下落させる。一般に、このように考えられているだろう。本稿はこの問題にのみ焦点をあわせ、株価と業績の関連を検証することを目的としている。
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