肩腕部にフィットする着心地良い原型
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今回の実験で従来型として用いた文化式は,胴部原型の製図に必要な計測項目が胸囲と背丈の2項目のみであり,広く用いられている。しかしその他の製図上重要な項目については,胸囲からの割り出し寸法を用いるため,出現頻度の高いA体型には比較的適合するもののB体型,C体型においては適合性が低い。そこで,改良型を体型にかかわらず適合性が高く,計測箇所が少なく,簡単に製図できるように考えた。判定により得られた結果は,従来型に比べ改良型を適合していると評価する割合が高かった。特に,B体型,C体型において高く,5項目の計測値を用いた改良型は,身体及び動作適合性を高めるために意義があったと思われる。実験の主な結果は以下のようである。1)背肩幅の計測値を用いることで肩腕部の身体及び動作適合性を高めることができた。2)正面,背面については,胸幅,背幅の計測値を取り入れたことにより,外観が良くなった。3)胸幅,背幅の計測値より「袖ぐりの幅」を,定数化した乳下りにより「袖ぐりの深さ」を決めたところ,適当なアームホールが確保され,着心地が良くなった。原型を製図する際には,正確な計測値を得ることが必要である。背肩幅,胸幅,背幅については特に計測誤差が生じやすく,今後計測方法の検討が必要である。また,今回の実験では胸囲から頸付根囲を割り出したが,頸付根囲と胸囲の相関はr=0.46であり高くない。計測を含む一考が必要である。
- 1994-02-10
著者
関連論文
- 被服製作からはじめるエコロジーI ―レジカゴバック―
- 短時間で仕上がる被服教材(4)エプロン
- 短時間で仕上がる被服教材(2)手提げかばん
- コレステロール粗タンパク係数について(食物学)
- 液体クロマトグラヴフィーによるアミノ酸分別定量分析について(食物学)
- 食品中のコレステロール量について(第1報)
- 簡単にできる被服教材 : 裏つき巾着とリバーシブル巾着
- シャツ教材としての人形服
- 外観がよく涼しいTシャツ : 開口とゆとり
- 人形服を取り入れたシャツ製作 : 理解度を高め,美しく仕上げるために
- 短時間で制作できる着心地良いジャケット III
- 短時間で制作できる着心地良いジャケット II
- 短時間で制作できる着心地良いジャケット I
- 冬を快適に過ごす衣服 : 材料,構成,着装の科学
- 衣服型で行う燃焼実験 : 衿ぐりの形態
- 既製服の解体
- テ-ラ-カラ-の構成 第5報 : 上衿に適した接着芯
- テーラーカラーの構成第4報 : 素材の厚みを考慮した上衿の構成
- テ-ラ-カラ-の構成 第3報 : 外観に優れた上衿の構成
- 衣服型で行う燃焼実験 : 重ね着の影響
- 折り紙で教える裏つきの袋
- テーラーカラーの構成 第2報 : 家庭用ミシンによる裏衿の成形
- 肩腕部にフィットする着心地良い原型
- 着じわの研究-1-着用実験による肘部着じわについて
- 博物館活動としての被服製作第1報(芸術・保健体育・家政・技術科学編)
- 刺繍レースを組み込んだ涼しいタンクトップ第1報
- 作りやすく使いやすい腕カバー
- 着心地良い妊婦用スラックス ―前後股上線傾斜度―
- 着用実験における官能評価
- 着心地の良い衣服原形設定のための着用実験