非外傷性腎周囲血腫の1例

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概要

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56歳女。患者は怒責した瞬間に急激な左背部痛が生じて救急搬送された。高血圧、糖尿病の既往があり、ともにコントロール不良であった。腹部CTでは左腎被膜下血腫、腎周囲血腫を認めたが、明らかな腫瘍性病変は認めなかった。だが、腎周囲には造影剤の血管外漏出像が認められ、動脈性出血の持続が考えられた。血圧低下はなかったが、受診2時間後にHb値の低下があり、経カテーテル的動脈塞栓療法(TAE)を目的に動脈造影を施行した。明らかな動脈瘤や腫瘍血管像はみられなかったが、腎動脈側背枝からの出血を認め、超選択的にコイル塞栓術を施行した。術後、Hb値が8.3g/dlまで低下したが、輸血は行わなかった。以後、術後6ヵ月のCTでは腎周囲の血腫は縮小しており、明らかな腫瘍像も認められなかった。
泌尿器科紀要刊行会の論文

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