越境するポップカルチャーと「東アジア人」アイデンティティ : 九州大学での日中韓シンポジウムと中韓でのフィールドワークを通して考える
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概要
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One of the main themes in Japan-China-South Korea joint symposium held at Kyushu University in Fukuoka in February 2007 was the possibility of formation of regional identities in East Asia. This paper discusses about correlations between transnational flows of popculture and identities in this region based on various discussions at the symposium and my fieldwork in Beijing and Seoul. ln short, popculture has the capabilities in changing mutual perceptions among East Asian citizens, but bilateral relations among those countries influence on their receptivity of foreign cultures. It will be a long and arduous way to formation of ‘East Asian’ identity among the masses in this region.九州大学アジア総合政策センターは2007年2月1日と2日、中国社会科学院、韓国・東国大学校との共催で多分野にまたがる「日中韓シンポジウム」を福岡市で開催した。ここでの主要テーマの一つが、東アジアにおける地域アイデンティティ形成の可能性だった。小論は、このシンポで私がコーディネーターを務めた「ポップカルチャーと基底文化」分科会での報告、その後の北京とソウルでのフィールドワークを踏まえ、ポップカルチャーと地域アイデンティティの関連を議論する。結論的に言えば、越境するポップカルチャーは東アジア市民の相互認識に変化をもたらす力はあるが、相手国の文化の受容にはその時々の国家間関係が影響し、大衆レベルでの「東アジア人」アイデンティティ共有までの道のりは平坦ではない。
- 九州大学アジア総合政策センター,Kyushu University Asia Centerの論文
- 2007-09-28
著者
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