種々の条件下でのオオクロヤブカの濾胞の発育と生殖活性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
春から秋にかけての自然条件下で飼育羽化させたオオクロヤブカの雌及び種々の日長と温度とを組み合せた実験条件下で飼育羽化させた雌について濾胞の発育状態,吸血率及び栄養生殖分離率を調査し,さらに春から秋にかけて牛舎で採集した吸血雌についても栄養生殖分離率を調べた.またドライアイストラップで採集した未吸血雌の経産率の季節的変化を検討した.その結果次のことがわかった.本種の雌では濾胞の大きさと発育期は春から秋にかけて変化しないし,実験環境条件の低温短日下でも変らない.しかし吸血活動は低温下で抑えられる.栄養生殖分離はどの条件下でも一般に起らないようである.一方経産率は秋になると高くなった.以上の結果を総合して考えると,秋の短日条件下で羽化する本種の雌は,アカイエカやコガタアカイエカにみられるような休眠現象を示さず,吸血と産卵を繰り返して翌春までに死滅するものと思われる.With Armigeres subalbatus, follicular size and stage, the activity of blood feeding and incidence of gonotrophic dissociation were examined with females which had been reared as adults under the outdoor natural or indoor experimental conditions and with those which had been caught at cowsheds. Also, parous rate was investigated with unfed females caught by a dry ice trap. From the results obtained, it was found that the follicular development does not vary from spring to autumn, and is not influenced by short day-length and low temperature, however, feeding activty is inhibited by low temperature. The gonotrophic dissociation was seldom observed under those conditions. The parous rate increased in autumn. Therefore, it is assumed that most of the females which emerged under short day-length in autumn do not show the diapause state represented by the small sized follicles asseen in Culex pipiens and will die by next spring by repeating the feeding activity and egg-laying.
- 1976-02-28
著者
関連論文
- 長崎市の犬糸状虫の伝搬における飼い犬の室内飼育の影響
- 17 犬糸状虫症の伝搬の動態に関する研究 : 7. 飼い犬の雌雄別の仔虫保有率の比較
- 9 犬フィラリア感染チカイエカの生存率と犬のミクロフィラリア密度との関係
- 8 犬フィラリア幼虫の発育におよぼすヒトスジシマカの日令および産卵経験の影響
- 44 犬フィラリア症の動態に関する研究 : 4. 異なった浸淫地区での伝搬蚊の季節的消長と自然感染
- 43 犬糸状虫の伝搬に果すヒトスジシマカの役割に関する研究 : 3. 長崎県のヒトスジシマカの感受性について
- 42 犬フィラリアに感染したアカイエカ群の成虫の生存率とミクロフィラリア密度との関係
- 69 毒餌によるチャバネゴキブリの駆除実験
- 29 犬糸状虫の伝搬に果すヒトスジシマカの役割に関する研究 : 2. ミクロフィラリア摂取数と蚊の生存について
- A-10 長崎市における飼い犬の犬糸状虫の仔虫保有率の 27 年間の年次的変化
- 14 犬糸状虫症の伝搬の動態に関する研究 : 11. 仔虫保有率の変動に及ぼす流行要因
- 7 犬糸状虫症の伝搬の動態に関する研究 10 : 1983 年以降 10 年間の流行様相
- 4 日本産アカイエカ群とハンブルク産トビイロイエカの交雑群のふ化率
- 21 長崎市における日本脳炎伝搬蚊コガタアカイエカの成虫の年次変動
- 15 犬糸状虫の伝搬の動態に関する研究 : 9. 犬糸状虫伝搬蚊アカイエカ成虫の年次変動
- ヒトスジシマカの寿命におよぼす犬糸状虫のミクロフィラリアの密度の影響
- 14 長崎地方におけるブユ雌成虫の翅長の季節的変異
- 5 ヒトスジシマカの無吸血産卵に及ぼす環境要因について
- 3 外国産アカイエカ群での犬糸状虫の発育効率
- 18 犬糸状虫症の伝搬の動態に関する研究 : 8. 仔虫保有率の変動に及ぼす流行要因についてのアンケート調査
- 61 犬糸状虫症の動態に関する研究 : 6. 長崎市の北部と南部での伝搬蚊の調査
- 9 日本産アカイエカ群での犬フィラリア発育効率の比較
- 6 アカイエカ群の交雑群の生殖活動に及ぼす日長の影響
- 2 長崎県におけるブユ成虫の季節的消長
- 2 長崎大学医学部構内で採集されたコガタアカイエカ成虫の季節的消長
- 1 Ovitrap で採集されたコガタアカイエカの卵塊数の季節的消長
- A18 アミノ酸注入に対するハマダラカの特異的卵巣発育
- 3 衛生昆虫への遺伝子導入について
- 長崎市における飼い犬の犬糸状虫の仔虫保有率の27年間の年次的変化に関する研究〔英文〕
- 17 ロシアにおけるチカイエカについて
- A-50 アカイエカ群の休眠の変異性(衛生昆虫の休眠と移動)
- 蚊類の越冬に関する研究
- 5 フィンランドのアカイエカ群の越冬について
- 4 ジャカルタ市のネッタイイエカについて
- 22 ヨーロッパ産 Culex pipions pipions と Culex pipions mdestios の交雑群の孵化率
- 10 北ドイツのアカイエカ群について
- 15 人畜共通感染症に関する研究 (10) : 猫小穿孔疥癬虫 Notoedres cati の全貌
- 5 インドネシアにおけるデソグ熱伝搬蚊の生態とウイルス分離
- 3 長崎地方におけるブユの越冬について
- 88 ヒト顔面におけるニキビダニ類の寄生に関する研究 (I)
- 11 ハエ幼虫症 (myiasis) について
- 6 トウゴウヤブカ幼虫個体数の季節的消長について
- 3 アカイエカ群各系統の生理的性質からみた分布限界(アカイエカ群の諸問題)
- 6 チカイエカの屋外における越冬について
- 蚊体内におけるマレ-糸状虫(済州島系)のミクロフィラリアの脱鞘と移動〔英文〕
- 9 長崎でのタカサゴキララマダニの人体寄生例
- 6 栄養生殖分離を起したコガタアカイエカの濾胞の発育状態について
- 6 水ガメに発生するアカイエカ群の雄の外部生殖器の形態について
- 日本脳炎ウイルスのコガタアカイエカ体内での越冬の可能性についての考察
- 2 水ガメに産みつけられたチカイエカの卵塊数及び卵粒数の季節的変化
- 57 アカイエカ群の成虫休眠について
- 5 蚊の栄養生殖分離
- 10 シナハマダラカの越冬
- 7 短日条件下で飼育羽化した種々の蚊の濾胞の発育状態
- 5 チカイエカの成熟卵数
- 26 Culex pipiens pipiens の栄養生殖分離
- 81 コガタアカイエカの未吸血雌の退化濾胞について
- 5 早春のコガタアカイエカとシナハマダラカの出現消長の比較
- 2 アカイエカの光周感受期
- 64 コガタアカイエカの栄養生殖分離の出現率について
- 7 ドイツにおける Culex pipiens pipiens の生態について
- 16 北ドイツの Culex p. pipiens の吸血活動と濾胞の発育状態の季節的変化
- アカイエカの濾胞の発育と吸血活動性におよぼす日長と温度の影響. 続報(第 22 回大会講演要旨)
- アカイエカの越冬とろ胞の大きさとの関係(第 20 回大会講演要旨)
- 日本脳炎に関する基礎的研究, 蚊の微細構造(第 20 回大会講演要旨)
- 越冬コガタアカイエカの年齢 (第 18 回大会講演要旨)
- イエバエの分散実験 (II)(第 14 回南日本支部大会講演要旨)
- 23 長崎市のコガタアカイエカ成虫数の年次的変化とウイルス分離 1980 年以降の成績
- 長崎産ヒトスジシマカの卵休眠と越冬について〔英文〕
- コガタアカイエカの未吸血未経産雌の濾胞の退化
- 1 長崎市内のゴキブリの生態
- 3 地上で採集されたチカイエカの経産率と産卵数
- 2 オオクロヤブカの越冬について
- 1 稲佐山山頂における蚊のライトトラップ採集成績
- 43 長崎市内で採集されたアカイエカ群の犬フィラリアの自然感染率について
- 15 地上水域における犬フィラリア伝搬蚊, アカイエカ群の卵塊数の年次的変化
- チスイビル Hirudo nipponia Whitman の眼寄生例
- 4 犬フィラリア伝搬蚊, アカイエカ群の雌の個眼数の変異
- 35 長崎で冬期に採集されるトウゴウヤブカの幼虫の生理状態について
- 21 高温下での外国産アカイエカ群の孵化率について
- 8 Ovitrap で採集されたトラフカクイカとアカイエカ群の卵塊数の季節的消長
- 8 顔面における Demodex folliculorum と D. brevis の寄生状況の調査
- 9 Demodex folliculorum と D. brevis の混合寄生例
- 17 チスイビルの眼寄生例
- 3 低温下でのオオクロヤブカの越冬幼虫の行動
- 29 オオクロヤブカの翅長の季節的変異について
- 長崎地方におけるオオクロヤブカの越冬に関する研究
- 14 オオクロヤブカ幼虫が低温短日の影響を受ける発育段階について
- 種々の条件下でのオオクロヤブカの濾胞の発育と生殖活性
- 30 オオクロヤブカの越冬幼虫の出現に及ぼす温度と日長の影響
- 9 種々の条件下で羽化したオオクロヤブカの雌の吸血活動性
- 8 犬系状虫の伝搬に果すヒトスジシマカの役割に関する研究 : I. 分散行動
- 6 パプアニューギニアにおける疾病媒介蚊の基礎調査
- 5 高温下におけるアカイエカ群の成虫の生存期間と生殖活性
- 22 タイ国のトウゴウヤブカの形態、無吸血産卵性及びマレー系状虫に対する感受性
- 20 チカイエカ・アカイエカ交雑群の個眼数と雄の生殖器の形態に及ぼす温度の影響
- 19 地上におけるチカイエカの生態
- 2 高温条件下におけるチカイエカの卵の孵化率の低下
- 10 アリガタバチによる螫症例
- 42 タイ国のターク地方のフィラリアの浸淫状況について