西サモア国における皮膚真菌症とその原因菌について
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概要
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1973年5月より6月にかけて行なった西サモア国での皮膚疾患調査について,真菌症,原因菌を中心に報告した.対象は外来患者および学童などで,真菌症の確診は臨床症状および病的材料のKOH検鏡により,またKOH検鏡にて菌陽性のものについてはさらに一連の菌学的検索を行なった.癜風もっとも多くみられ,恐らく住民の半数はこれに罹患しているものと思われる.白癬では,体幹部の小病巣を作るものが多かったが,数例,典型的な渦状癬もみられた.白癬の病原菌としてははTrichophyton rubrumがもっとも多く,この他,頭部白癬などより数珠のTrichophyton tonsuransが得られたが,典型的な渦状癬病巣よりの分離培養においてもTrichophyton concentricumを得ることは出来なかった.これは各菌種の,落屑内における生存期間の長短によるものと思われる.このほかEpidermophyton floccosum, Microsporum gypseumを分離,同定した.Dermatophytosis and its causative fungi were investigated during May to June, 1973 in Western Samoa. Among superficial fungal infections, tinea versicolor was the most common and ringworms, such as tinea circinata, tinea capitis, tinea pedis and tinea unguium, were seen in fair numbers. Few cases of typical tinea imbricata were also seen but they seem to be decreasing. Skin scrapings taken from tinea lesions were examined for the determination of causative fungi in Nagasaki University. Trichophyton rubrum was the most prevalent species among dermatophytes and it caused tinea circinata, tinea manum, tinea pedis and tinea ungium. Skin scrapings obtained from typical tinea imbricata lesions, however, failed to grow Trichophyton concentricum, the causative fungi of tinea imbricata. Several strains of Trichophyton tonsurans, Epidermophyton floccosum and Microsporum gypseum were also identified.
- 長崎大学熱帯医学研究所,Institute of Tropical Medicine, Nagasaki Universityの論文
- 1975-02-28
著者
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