最近の伊豆半島の隆起について(1980-1988)
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概要
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伊豆半島における1980年から1988年までの異常隆起について時間的・空間的に詳細に調べた.解析方法は時間的にはAkimaの関数を適用し,空間的にはChebychevの関数を適用する方法を開発した.隆起域に於ける水準測量は毎年実施されており,この方法を適用することにより隆起の時間・空間変動が明らかになった.隆起のピークの積算値は8年間の解析期間で17cmに達した.隆起のピークの位置は解析期間の始めには内陸にあったが,終わりには東側の海岸の富戸付近に固定した.内陸から東側の海岸にピークの位置が移動した時期は1982年6月から1983年1月までの間と考えられる.隆起の時間変化は一様ではなく時間的に変動しており,特に1987年からの変動は大きい.1978年から伊豆半島東方沖に18回の群発地震が起こっているが解析期間中では隆起のピークが東側の海岸の富戸付近にあるときに発生している.Recent abnormal uplift on the Izu Peninsula from 1980 to 1988 is investigated by employing a newly developed method of leveling analysis. Temporal and spatial variations of abnormal uplift are clarified. Maximum uplift during the analyzed period reaches 17 cm. It is found that the rate of uplift is not necessary uniform but varies with time and becomes higher from 1987. It is revealed that uplift peak moved from inland to the coast between July, 1982 and January, 1983. It is also found that earthquake swarms occur when the uplift peak is located at the east coast (Futo area).
- 東京大学地震研究所,Earthquake Research Institute, University of Tokyo,地震研究所の論文
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