塩酸レバミゾールの長期投与による犬糸状虫の予防試験
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概要
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塩酸レバミゾールの犬糸状虫寄生予防効果を実験感染犬と自然感染犬を用いて実験した。1)実験感染試験:犬糸状虫実験感染犬に本剤の2.5mg/kg/日を感染から30日間連続経口投与した。実験感染後143日に剖検した結果、終寄生場所(右心室・肺動脈)に虫体はまったく認められなかった。対照群の終寄生場所への移行率は平均40.9%であった。2)野外試験:実験犬は犬糸状虫自然感染に曝し、さらに感染を確実にするために実験感染を追加して試験した。投薬群はさらに2群に分け、本剤の2.5mg/kg/日を、9頭は6月から11月までの6ヶ月間連日投与し、3頭は同一期間を隔日に投与した。実験感染後151・152日に全例剖検した結果、投薬群では犬糸状虫の寄生を認めず、確実な寄生予防効果が認められた。対照群では15~66匹が検出され、平均移行率は72.7%であった。犬糸状虫ミクロフィラリア保有寄生犬に本剤を用いた場合、ジエチルカルバマジン剤を用いたときにみられるショック様反応(発現率約17%)など異常反応が発現するか否かについて、同保有寄生犬53頭を用いて検討したが、異常所見はまったく認められなかった。同様に、実験感染実験および野外試験においても異常所見は認められなかった。
- 日本獣医師会の論文
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