＜原著論文＞環境負荷の小さい生分解性マルチ資材がサツマイモの生育・収量に及ぼす影響

概要

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本研究では、筑波大学農林技術センター圃場において、2003年にサツマイモ栽培における素材の異なるマルチ資材6種類を用いた要因実験を実施して、資材特性とサツマイモの生育特性、収量性との関係を検討した。被覆資材としてポリエチレンフィルムでは透明(PE-1)および黒(PE-2)の2種、生分解性フィルムでは、ポリブチルサクシネート系フィルム2種(PBS-1、2)、高分子系デンプンフィルム1種(HMS-1)、オレフィン分解付与系フィルム1種(POF-1)の計6種を使用した。地温の推移は、いずれの被覆資材の実験区も同様な動きを示したが、積算地温ではPE-1区が最も高かった。また、土壌水分含有率はPE-1,PE-2,PBS-1,POF-1の4区が高く推移した。初期成育はPOF-1区が最も良好であった。収量性は、塊根数ではPE-1区とPOF-1区は同等であったが、塊根重ではPOF-1、HMS-1区がPE-1区よりも勝っていた。以上の結果から、生分解性マルチ資材では、資材特性として地温保持能力が高く、崩壊開始が遅いPOF-1, HMS-1が望ましいと考えられた。
筑波大学農林技術センターの論文
2005-03-31