工部省における技術者養成と修技校の役割 : 電信修技校を中心とした考察
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概要
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商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty十川廣國教授退任記念号 = In honour of Professor Hirokuni Sogawa50周年記念論文・退任記念論文明治政府が殖産興業政策を進めたとき大量の外国人を雇用したのは,鉱山業等の近代化にまた鉄道や電信等の新事業の定着化に,彼らの機械操作や運転技術が不可欠なためであった。しかしながら,外国人依存だけでは拡大する政府事業の経営には不十分であった。この限界を克服するため政府は日本人技術者の養成に乗り出していった。外国人雇用の財政負担の軽減,青少年にたいする洋学教育の提供,また困窮する士族子弟の救済など,日本人技術者の養成を促進した財政的,社会的,政治的要因を考えながら,本小論は短期間に大量の実務技術者を育成する役割を課せられた工部省内各寮(明治10年1 月,局に官制改革)の修技校に焦点を絞り,明治初期の日本人技術者の創出過程を理解しようとしたものである。より学術素養を備えた技術者の必要は早くから意識され,明治6 年に工部省は工学寮工学校を開校(明治10年工部大学校に改名,同18年文部省へ移管,同19年帝国大学に編入)したが,この考察はあらためて別の稿に預けたい。
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