ポール・H・ナイストロムの流行商品計画論
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概要
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堀田一善教授退任記念号本稿ではナイストロム(Paul H.Nystrom)の業績を概説し,彼が提出した我々の分野のパズルの原形について考察する。わが国では注目されることが少なかったマーケティング研究のパイオニアであるナイストロムの精力的な執筆活動により,小売思想は制度的及び技術的という2つの方向に発展したとされるのである。本稿で特に注目する『流行商品計画(Fashion Merchandising)』では「かつては富裕な,また貴族階級のごく一部の人々が追求するものでしかなかったが,今や大衆がこれに従うようになった」流行を分析するのであるが,そこで述べられた内容のどれもこれもが今日も流通企業が用いる実践的手法であり,また何よりマーケティング研究者にとっての重要な研究課題がその中で示されている。先立って『消費の経済学』『流行の経済学』を提出したナイストロムが,第二次世界大戦後に活躍する合衆国の多くのマーケティング研究者が学生時代に用いたテキストの著者であったことによるその後の影響を,我々は不注意にも見落としていたのではないだろうか。
- 慶應義塾大学出版会の論文
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