ハイブリッド力学系におけるリミットサイクル振動子結合系の位相縮約法による解析
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概要
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システムに瞬間的な変化を伴うような,時間的階層性をもつ系をモデル化する方法として,離散力学系と連続力学系の混在するハイブリッド力学系がよく用いられる.リズミカルなふるまいを示すハイブリッド力学系の例は機械工学,電子工学,生命科学など広範な分野においてみられ,その同期リズムは多様な応用をもつ.前回の報告[白坂将他,信学技報,112,487,pp.55-58,2013]で,我々は非線形振動子の同期特性を調べる一般的な数理的枠組みとして発展してきた位相縮約法を拡張し,それがハイブリッド力学系における安定なリミットサイクル振動子の注入外力に対する同期現象の解析に有効であることを示した.本報告では結合をもつ振動子系について,周波数同期が生じるような振動子間の周波数差や,同期しているときの安定位相差を位相縮約法により解析できることを示す.また,パルス結合したハイブリッドな振動子においては,振動子間の周波数のずれが安定位相差に影響しない場合がありうることが位相縮約法による解析により示唆されたため,このハイブリッド力学系特有の同期特性を報告する.
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 2014-01-14
著者
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