入院高齢者に対する活動性低下予防ケアの実施状況とその影響要因 : -老年看護学実習を受け入れている一般病棟看護師を対象に-
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概要
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背景 一般病院における入院患者に占める高齢者割合が今後ますます高くなることが推測され, 看護師の高齢者に対する活動性低下予防の実践力向上が必要となる. そこで, 老年看護学実習を実施している一般病棟看護師の入院高齢者に対する活動性低下予防を意識した看護の実施状況とその影響要因を明らかにしたいと考えた.目的 本研究の目的は, 老年看護学実習を受け入れている一般病棟看護師の入院高齢者に対する活動性低下予防ケアの実施状況とその影響要因を明らかにすることである.方法 研究同意が得られた16病院の看護管理者に調査を依頼し, 老年看護学実習病棟経験3年以上の看護師を対象とし, 属性, 看護学生と関わる立場, 看護上重視する視点, 野崎らが開発した 「入院高齢者の日常生活における活動性低下予防ケア実施度」 の尺度を用いて調査し, 統計解析により分析した.結果 調査対象は270名で女性が91.5%であった. 活動性低下予防ケアの実施度は, 平均77.9士21 (138点満点) ,ケア項目 (スコア3〜0) では, 「環境整備」 2.37, 「移動・移乗の介助・指導」 2.32, 「認知刺激」 2.16, 「運動実施の援助」 と 「エネルギー管理」 が1.68であった. 経験年数, 看護学生と関わる立場との有意差はなく, 高齢者の 「発達段階」, 「もてる力」, 「入院前の生活」, 「患者の価値観」,に有意差 (p<0.001〜p<0.05) を認め,高齢者への視点の有無が活動性低下予防ケアに影響していた.結論 高齢者看護実習病棟看護師の活動性低下予防ケアの実施には, 高齢者の 「発達段階」, 「もてる力」, 「入院前の生活」 , 「患者の価値観」 が影響していた.
著者
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