乳幼児を育てる家庭における災害への「備え」 : 東日本大震災を経験した通園児の母親への調査より
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概要
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本研究の目的は、東日本大震災を経験した通園している乳幼児の母親の災害への「備え」の現状を明らかにし、乳幼児を育てる家庭における防災・減災への支援の在り方を検討することである。研究対象は被災県の一市の認定こども園・公立保育園(計3施設)の乳幼児の母親である。調査内容は災害への「備え」の有無と内容、備えに対する知識、認識、東日本大震災による影響等であり、調査時期は2013年1〜2月であった。本研究の結果、9割以上の母親が災害に対して「備え」を実践し、その内容では「懐中電灯・ろうそくの準備」、「飲料水の準備」、「予備電池の準備」、「非常食の準備」等の備蓄が多い一方、「家族・子どもと緊急時の連絡の取り方を決める」、「保育園・幼稚園との緊急の連絡の取り方を決める」、「子どもへ緊急時の連絡先を教える」等の備えは少なかった。また災害に対してより備えていた母親はそれ以外の母親と比較し、備えるべきという認識を持っていた。本結果から、家庭内の連絡方法等の「備え」の行動化に向けた保護者と子どもへの防災教育等の方策の必要性が示唆された。
- 2014-03-20
著者
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