現代の医療現場を生き抜くために,看護師に求められる人間力の検討 : 「生きる力」・社会人基礎力・「キー・コンピテンシー」の比較考察を通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
複雑化した現代の医療現場を生き抜くために看護師に求められる人間力を,「生きる力」,社会人基礎力,「キー・コンピテンシー」の3つの力の比較考察を通して検討した。 「生きる力」は,試験で測定できる「確かな学力」に偏る傾向があった。社会人基礎力は,「働くための基礎の能力」に特化しているため,具体化しやすく,また,働く場によっても変化させやすいことがわかった。一方,複雑な社会での行動,ワーク・ライフバランスについては述べられていなかった。「キー・コンピテンシー」は,複雑で矛盾もある社会を,「個人の人生の質(quality of life:QOL)」と「うまく機能する社会」の両方のバランスを取りながら生活するために考えられており,複雑な社会での行動の仕方,自己と他者,自己と社会,現在と将来のバランスをとる重要性が述べられていた。このことから「キー・コンピテンシー」と社会人基礎力を組み合わせることで,現代の看護師に求められる人間力に近づく可能性が示唆された。今後,具体的な教授方法の検討が必要である。
著者
関連論文
- 老年看護学実習のレクリエーション体験における看護学生のQOLの学習効果 : レポート内容分析より
- 看護大学生の職業意識の特徴 : 1・2年次生の自我同一性と看護職の就業動機の調査より
- 現在の看護師がおかれている状況と看護基礎教育とのギャップについての一考察
- 看護系大学3年次生の高齢者に対するコミュニケーション力についての一考察
- 現代の医療現場を生き抜くために,看護師に求められる人間力の検討 : 「生きる力」・社会人基礎力・「キー・コンピテンシー」の比較考察を通して