現在の看護師がおかれている状況と看護基礎教育とのギャップについての一考察
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概要
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大学での看護基礎教育は,文部科学省の掲げる「卒業時の到達目標」に照らして,広い視野での深い思考を基盤とした看護実践力の育成と,人間的成熟を目指している。それは,対象者が主体的に自らの疾患や障害に向き合えるよう支援をするために必要なものである。しかし,実際の医療現場は,疾病構造の変化や,繰り返される診療報酬制度の改定などにより,急激に変化している。その中で,看護師は疲弊し,人間関係を歪ませ,仕事についての意欲の低下やメンタルヘルスの不調を引き起こしていた。人間関係の歪みは,さらなる悪循環に繋がっていく可能性が示唆された。メンタルヘルスの不調を訴えている看護師の半数近くは20歳代であることは,看護基礎教育での対策の必要性を示唆する。現在の医療現場の中でも人間的な成熟を目指していける力を,学士教育の中で培える教育方法の検討が急がれる。
著者
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